男性が、結納金を「御帯料」として金包におさめて女性に贈ります。
これに対して女性が、その半額を「御袴料」として金包におさめて返すことを、いわゆる「半返し」といいます。
関東地方で行なわれてきた習慣ですが、関西地方では結納のときに返さないで、嫁入りのときに三分の一程度の額を持参するのがしきたりだったようです。
現代ではそうした「半返し」などのお返しは、古い形式主義のなごりとして、だんだん省略する傾向になってきました。
お返しをするくらいなら、はじめから半額にしておけばいいことですし、本人たち、あるいは両家に異存がなければ、結納のしきたりを合理化してもさしつかえないわけです。
ただ、こういった昔からのしきたりを守るか、あるいは、合理化して簡単にするかということは、お互いに相手あってのことですから、勝手にきめないで、仲人を介してよく話し合い、双方で納得のいくような形で結論を出すべきでしょう。
なお、昨今は九品目、七品目、五品目といった形式的な結納品の交換も、意味のないむだな習慣として、いっさい行なわず、結納金を贈るだけというケースも増えていることをつけ加えておきましょう。