花嫁の色直しは、衣装を見せるのが目的なので、その回数の多いほど豪華とされていました。
しかし、あまり何回も色直しをするのは虚飾に過ぎる感じがしますし、花嫁が出たりはいったり目まぐるしい印象を与えますから、一回にとどめるのがよいでしょう。
挙式が打掛で色直しをイブニングドレスかカクテルドレスの洋装、または振袖に色直しする場合と、ドレスで挙式して色直しに振袖を着る場合とが多いのです。
色直しは食事にはいる前か、食事にはいって少し経ったころに立つのが適当なタイミングです。
最近は、新郎もモーニング、タキシードから紋服に、あるいは紋服からダークスーツ、色の紋服に色直しすることもあります。
しかし、新婦と競争でファッションショーをしているようで、あまり感心したことではありません。
新婦が色直しに立つときは、司会者が列席者に了解を求めるあいさつをしますから、そのあとすぐに仲人夫人に手伝ってもらって、立ちイスの左側から出ます。
仲人夫人は、左手をとって歩くのを手伝ってくれますが、ふつうは宴会場の入口までで、あとは介添人が連れて行ってくれます。
美容室で色直しをすませた新婦は、二〇分ぐらいあとにふたたび宴会場にはいり、仲人夫人が迎えて着席まで付添ってくれます。
ときには、花嫁はすぐ自分の席に直行しないで仲人夫人の介添えのもとに場内の各テーブルをまわって色直しの衣装を見てもらうこともあります。
花嫁はそのときは「どうぞよろしくお願いいたします。」と小声でいって頭をさげます。