耐える愛もよろこびの愛?

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立場が弱く、権利がない愛人としては、一切を我慢し、いつかは自分の胸に飛び込んでくることを念じて、我慢に我慢を重ねなければなりません。

「同じ女として生まれて、私だけがなぜこれほどみじめなの?」

といいたいところでしょうが、耐える愛もよろこびの愛だ、と考えなければならないのです。

よろこびが無理なら、自分という人間が成長するための愛だ、と思ってもいいでしょう。

どちらにしても慎重に、じっくりと愛を温めるタイプほど、不倫に向いているだけに、そのタイプの女性は自信をもつことです。

「今夜行くつもりだったけど、仕事の都合でダメだ」

という男の電話には、たしかに"なんて勝手な人だろう"と思うでしょうが、怒るよりも先に、「自分の部屋こそ彼にとって温かく、安心していられる唯一の城だ」と考え直して、いつかまた不意の電波が届く日を待つつもりになることです。

そんなあなたの愛は、間違いなく彼の胸に刻まれることになります。

女性の殺し文句のひとつに「あなたに捨てられたら死ぬわ」という間接的な脅しがあります。

これを少し巧みに用いれば「あなたが死んだら私も死ぬわ」と、男をホロッとさせる言葉になるわけですが、どちらにしても"一心同体"を強調していることには違いありません。